当日、NE社近くには、AM9:30頃に到着。。。

10:00に社内に乗り込む予定だったので、録音機器・撮影機器のチェックや社内の様子を探るには、充分時間がある。。。

用意してきたどの機器も不具合がなかったので、次に会社の中の様子を調査した。。。

NE社内部に複数の人が居ることを確認できたのですが、正確な人数や中で今何をしてるか?は掴むことはできません(。>0<。)

こうなったらもう、時間を待って乗り込むだけです。。。この時、時計の針は9:50分を指してました。

迫るその瞬間を前に再び、みんなの顔に緊張の色が出始めました・・・。

私は今日の交渉の矢面に立つ被害者の息子さんに一言だけ
「だいじょうぶ・・・こちらは何一つ悪いことはしてないから、胸を張っていきましょう!」
と、声をかけその時を待った。。。

いよいよ10:00となり、被害者(母親)を先頭に、息子さん、りぁらぃず調査員達が続き、NE社の玄関へと向かった。

NE社は写真右端の人が1人通れるほどしかない階段を登った先の3Fにあるから、周りの人が見たら、ぞろぞろと縦1列で階段を上がっていく光景は、よくニュース番組などで観る・・・
「企業への家宅捜索(ガサ入れ)のシーンに似てるのかなぁ」
て、私は1人のんきなことを考えながらNE社玄関へと進んでいた。。。f^_^;

私、いつもそうなんですけど・・・
なぜか?こんな場面に遭遇してもまったく緊張しないんですよね。
その代わりにこうしてあまり関係ないことが頭に浮かんでくるんです(><;)

で、玄関の前に着くと会社の扉が開いていたからまず、今回の被害者本人が・・・
「あの~すいませんっ!株主の○○です。。ちょっとよろしいですか?」
それに反応して、奥から・・明らかに動揺している女性の声が・・・
「は~い・・・」
その声を確認すると、息子さんは母親の前に出て・・・
「聞きたいことがあるので、失礼しま~す」
と、社内へと足を踏み入れた。。。
母親&りぁらぃず調査員も後に続く。。

あわてて、NE社男性スタッフが対応に出てきて・・・
「あの~今日はどういったご用件で・・・」
その表情には困った様子が窺える。。。。。

母親
「近くに来てたので、寄らせてもらいました」
調査員
「株主さんが来社されたのにお通しいただけないのですか?」
NE社男性、ようやくわれに返って
「あっ、どうぞどうぞ・・・」

私は心の中でブツブツ
「うん、ここまでは順調!今のところ奇襲作戦成功!」 
(*^ー^)ノ

で、息子さん
「いろいろとお話を聞きたいのですが・・」
それには返事もしないで、NE社男性が
「あの、この方達は・・・?」
調査員
「御社の株主○○さん(母親)から、とてもいい株があると聞いたので興味があったのでお話を伺いに来ました」
NE社男性
「みなさん、そうですか?」
調査員きっぱりと
「はい、そうです」
息子さん
「何かお困りのことでもありますか?」
NE社男性
「いえ・・・」

こんなやり取りがしばらく続いた後、席についた息子さんが切り出した。。
「僕は、御社の株主○○の息子ですけど、母親が株を購入したことを聞いて御社について調べたところ不明な点が出てきたので少しお話を聞きたいと思って・・・」
NE社男性
「・・・あ、はい・・・わたくしでわかることならお答えします・・・」

それを聞くと、あらかじめ用意していた『りぁらぃず』の調査結果を元に、息子さんは堰を切ったように
登記情報と会社案内との矛盾点・営業実態について・許認可についてなどなど、矢継ぎ早に質問していった。

NE社男性は、何1つまともに答えることができず、それまでこの様子を黙って見ていた調査員が
「あなたでは株主さんの質問に明確なお答えができないということですか?」
NE社男性
「・・・はい・・・すいません・・・」
調査員
「では、誰なら株主の質問にお答えできますか?」
NE社男性
「社長ならすべてわかるかと・・・」
調査員
「じゃぁ、株主さんもこのままじゃスッキリしないでしょうから、ちょっと社長に連絡とってもらえますか?」

男性は「社長に連絡を取るから少し待ってほしい」と言い一旦席を離れた・・・。

この間に私達は辺りを見回す。。。
すると印刷屋からきた1枚のFAXが無造作にテーブルに置かれていた。
それには『9コート―300枚・・・1500枚』などと書かれた今日付のものだった。
私はとっさに
「これ、写真おさえて!印刷屋の名前もハッキリね!」
と、促した。。

私はこれを見て、近い将来、新たに被害を受ける方達に送られる資料だと想像がついた。。。
『新たな被害者を生まないために、そして今後詐欺集団を追い込むのに有力な情報になる』
と、感じて撮影を指示をしたのです。

この後社長に連絡が取れ、息子さんと社長の電話での攻防が始まる。。。

息子さん
「自社株の発行に関しても・・・じゃぁ、取締役の表記についてですが・・・あぁ、そうですか、社長もハッキリわからないと、そうゆうことですか?では、誰ならわかるんですか?」
などなど、激しいやり取りがしばらく続いた後電話を切り、NE社男性の方を向いて・・・
「社長は何も答えないまま、打合せの時間だとか言って、電話切ったんだけど、どうするの?」
NE社男性
「そうなんですか!?・・・」
と、困り果てた表情でうなだれてしまった。
息子さん
「他に対応できる方は、居ないんですか?」
NE社男性
「・・・はい、連絡を取ります・・・」
調査員
「私達も株の説明を早く聞きたいのでよろしくお願いします」

NE社に着いてからあっという間に1時間半が経過した11:30分頃、ようやく取締役と名乗る男性が現れました。
この取締役は最初からすごく警戒した様子が読み取れる。。。

形式的な挨拶を済ませ、早速息子さんが、さっきと同じような質問をぶつけるが・・・
取締役はどの質問にも・・・
「・・・それは、私の担当じゃないのでよくわからないです・・・」
等々、また何一つ答えが返ってこない状況で・・・業を煮やした息子さん
「では、あなたは何のための取締役なの?判らないんだったら、今知ろうよ!取締役権限で・・・」
取締役
「・・・はぁ・・しかし私の一存では・・・後日書面でちゃんとお答えしますので・・・」
息子さん
「はぁ?それでいいの?これで何か問題が発覚したときは、取締役のあなた個人にも責任が波及するんだよ!」
取締役
「はい、わかってます・・・ですが・・・ほんとに後日書面でお答えしますので・・・」

これは、NE社側に時間を稼がないといけない事情があるのは明らかで、『やっぱり逃亡?』と、私の中で嫌な予感がまた浮かんでくる。。。
そんな私の様子に気が付いたのか、ここで調査員が
「今までの御社と株主さんのやり取りを聞かせていただいて、私たちはとても投資に値する企業とは思えないのですが?」
取締役
「・・・そうですか・・・」
この調査員の一言をきっかけに息子さん
「私の母親も、今回御社へ投資をして株主となりましたが、株主側の質問に何一つ明確に答えがいただけない今の状況では、やはり投資に値しない企業と判断していると思いますが・・どうなの?」
と、母親の方を向く
被害者(母親)
「はい、私もやはり今のところそう思うしかないと・・・」
息子さん
「ということで、今の状況だと母親が投資した株を買い戻していただくしかないです」
取締役
「・・・」
続けて息子さん
「と、同時にこちらの質問に対する答え次第では御社に犯罪性を問えるわけですから、株を買い戻していただければ、それも終わります」

私の中で「キターっ!決めゼリフ」と喜んだのもつかの間・・・。 (´д`lll)

取締役
「・・・と、言われましても私の一存では・・・それに関しましても、後日・・・」

この取締役が完ぺきに時間の引き延ばし役であることがハッキリしたところで
息子さん賭けに出る
「実は今日、この近くで弁護士が待機しているんですよ!・・・」
この言葉を聴き、突然明るい表情になった取締役が
「そうですか!?(^∇^)では弁護士先生の方にご相談された方がよろしいんじゃないですか!」
息子さん
「・・・」
取締役
「こちらも弁護士から後日正式な回答をしますんで !!!」

『でた~!これがこやつらの逃げの手口だったのか~!!!』
なんとか、NE社側の「のらりくらり弁護士」の登場を防がなくては、被害の回復ができなくなる。。。 (T▽T;)

↑私の焦り(・・;)↑

息子さん
「いえいえ、母親もたびたび東京まで出てこれないので、こちらは今日お返事を頂けなければ困ります」
調査員
「一存で判断できないなら、さっき社長さん打合せだと言ってたけどそろそろ終わったんじゃないですか?連絡を取ってみては?」

と、何とか軌道修正して・・・(-“-;A
社長と連絡が取れるの待っていると・・・すでに時刻は午後3時になろうとしていた・・・

その時突然、色の浅黒いきっちりスーツでキメた怪しげな年配の男性が現れる。。。
「あぁ、どうも!私ねぇ、社長の友達なんだけど、社長から弁護士を紹介してくれって言われて、明日この弁護士が話しを聞くから、それでいいでしょ?ねっ!」
と、弁護士の名刺を差し出す。。。

いきなり始まった年配男性のぶっきらぼうな言動に、息子さんは眉をしかめながら
「突然来られて社長の友達だからと言われても、こちらはどこの誰かもわからないので、とりあえず身分証明はありますか?」

息子さんは年配男性が出した運転免許証をしっかり写メってからきっぱりと
「こちらは今日、株の買い戻しの話に来たので、この○○弁護士の話の目的が違うならお会いできません」
年配男性
「とにかく悪いようにしないから・・・ねっ!」
息子さん
「それは買い戻しに応じてくれるということですか?」
年配男性
「まぁ、それしかないと思ってるよ!・・・」
息子さん
「・・・」
年配男性
「そういうことだから、今日はもう良いでしょ?帰って!ここの仕事の邪魔になっちゃうから、ねっ!」
息子さん
「買戻しがハッキリしてるなら帰るのはかまいませんが、その言葉を社長の口から直接伺えないと・・・」
年配男性
「わかった!俺から言っとくよ!ねっ!だから帰ってあげて!!」

と、言い残して帰っていった。

後日この年配男性のことを調べたところ・・・
前科2犯(銃刀法違反・恐喝)でこの免許証の住所には既に住んでいないことがわかった。。。
また、この年配男性が手配した弁護士が、相当の曲者で、調べれば調べるほどこの詐欺集団に怪しい影の存在が見えてくるのです。。。。。

次回は「悪徳?弁護士」をお伝えする予定です:*:・( ̄∀ ̄)・:*: