NE社側が代理人として立てた弁護士の事務所は、都内のある警察署の裏手に所在してます。

私が被害を受けた当事者だったら、今すぐ目の前にある警察に飛び込んで「思いの丈をぶつけたくなるだろうな」なんて思いながら弁護士事務所へと歩いていました。。。

前にも書いたと思いますが、詐欺の立証は非常に難しく警察も相当な確証がなければ扱いたがらないケースが多くて、この件でも被害者と相談を重ね「詐欺の立証」より、NE社側の虚偽の広告による「出資契約不成立」に基づく出資金の返還請求にしようという方針で動いてきたので、警察のお力を今の状況で借りることは無い事はわかっているんですけど・・・これからの長い険しい道のりを想像すると、つい国家権力のお力にすがりたくなってしまう。。。Y(>_<、)Y

私は、そんな少し不安で弱気な考えをすぐにかき消して「気分一新、覚悟を決めて」目の前に そびえ立つ弁護士事務所の入るビルを見上げていました。。。

約束の時間にはまだ余裕があったんですけど、相手(NE社側)はまだ近くのホテルのラウンジにいることが確認できていたので、彼らより早く弁護士に会い「出資金の返還」に絞っているこちらの立場を上手く伝えれば、よりスムーズな話し合いができると思い、一足先に弁護士事務所のチャイムを鳴らしました。

中から男性の声で応答があり、扉が開いた。。。

そこに立っていたのは、ジーパンにTシャツ姿の男の子と呼んだ方が相応しい若い男性でした。。。
「どうぞ」
招き入れられて中に入ると事務所の奥でシックな色の装いで事務机に向かい書類を広げながら電話をしている弁護士らしき男性を確認できました。

この人がY弁護士か・・・。見たところ事前調査で思い描いてた人物像とは違い、とても温厚そうです。
電話の話し方もゆっくりとした柔らかい感じでとても紳士的な印象です・・・。

5分ほど待たされた頃、電話を終えた弁護士らしき男性は手に名刺を携え近づいてきました。

少し戸惑いの表情を見せながら
「弁護士のYです」と名乗り、こちらとの挨拶を済ませて席に着くと・・・
「どのようなご用件になりますか?・・・・・・」
と、明らかに不意に訪れた招かざるお客に動揺を隠せない様子が感じ取れました。。。

やっぱりY弁護士は、まだNE社とは何の打合せもしていないんだ!きっと・・・
ここは冷静に、こちら側の調査結果が、今後NE社と代理人にどんな不利益を及ぼすのか?などを伝え「出資金の返還」しか道はないと判断してもらうことが大事なので、さっそく話を始めました。数分が過ぎたころ、NE社のS社長・色の浅黒い年配男性・40代後半~50代前半と思われる、初めて見る男性の3人がY弁護士事務所に入って来ました。私たちが先に何か話し始めていることに気が付いたのか?色の浅黒い年配男性がいきなり激昂して・・・
「あんた達が何でここにいるの!」 
「こちらが終わったら呼ぶって言ったじゃない!!」
「早く出てってよ!!!」
と、前日は言葉は少し荒くても時折笑顔さえ見せていた人物が、別人のように豹変し矢継ぎ早に捲し立ててきました。。。
「いや、11時に弁護士事務所にということで聞いておりましたよ!少し早く着いたので先にお邪魔しただけですよ」
と、落ち着いた感じで息子さんが言葉を返す。。。
「とにかく出てって!・・・終わったら呼ぶから、ね!!」

・・・核心まで話すのにあと5分時間が欲しかった・・・
などと思いながら、一旦事務所を出て近くで待機してました。。。

1時間が過ぎ何の連絡もないので、こちらから弁護士事務所に電話をするとY弁護士が・・・
「もう終わりますから・・・」

その電話を終えて、すぐに事務所に向かうと、ちょうどNE社側の3名が出て来て、色の浅黒い年配男性が
「ちゃんと話したから、丈夫だから!」
と、さっきとは違い、機嫌の良い態度で母親(被害者)に話しかけてきた。
この間、NE社のS社長は目が泳いでいて、こちら側を向こうともしないので息子さんが確認を取るように
「代理人がしっかりやってくれるんですよね?それなら(今後)直接コンタクトとることもないと思いますけど・・・」
と、S社長の肩を「ポンッ」と軽く叩いた。。。
それに対してS社長は顔を少し強張らせながら軽くうなずいていました。。。

そんなやり取りに少し不安を感じながら、Y弁護士事務所に戻り話を再開させると・・・
「まだ、正式には委任契約を済ませてないが、数日の内に返金交渉の代理人となる予定・・・返金の仕方などについては正式に受任してから・・・翌週の半ばにお返事を出せると思う・・・今後直接NE社側とは交渉はしないで欲しい・・・」
等々こちら側の求めてる「返金に関する5W2H」にはハッキリとしたことは一切言わないまま、NE社に猶予を与える様な「のら~り くら~り」とした態度で、この日の打ち合わせを終えました。。。

この弁護士は、話を振り出しに戻すつもりの登場なのか?それともほんとに解決する為の道先案内人なのか?

弁護士が介入してもまだまだ、先の見通しが立たない状態に苛立ちを覚えながらも、とりあえずは翌週のY弁護士からの回答を待つことにしました。。。

・・・そして翌週
Y弁護士からの回答は
「NE社からは返金額の減額の要望もあったが全額返金で話をした・・・」
と、前置きとして自分の成果を強調するかのように
返金方法は3回払いで50日かけて1回目100万円・2回目100万円・3回目1100万円というものでした。。。

予想はしていたんですが、ハッキリ言って愕然としました。。。
たとえ、順調に返金が開始されても3回目には必ず何かある・・・かも、、、と、誰もが想像してしまいたくなるような条件提示でした。。。

さっそく息子さんがY弁護士に「即時一括返還」をと返金条件の見直しを求めたんですが、回答は変わらず。。。

つづく・・・。

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